思い返してみると、初めてフィルターを使ってみたのはPLフィルターでした。
PLフィルターは手軽に使えるうえに、効果はバツグン。
使い方はフィルターをレンズに取り付けて、くるくる回すだけ。
くるくる回すのに合わせてファインダーから見える世界もくるくると変化していく様子に、感動したのを覚えています。
PLフィルターを使う上で、注意したいポイントやうまく活用するポイントをまとめてみました。
使い方は簡単なのでパパッとマスターして、早速くるくるしちゃってくださいね。
PLフィルターには厳密にいうと、『普通のPLフィルター』と『サーキュラーPL(C-PL)フィルター』の2種類があります。
今回の記事ではそれらを区別せず、総称して『PLフィルター』と記載します。
PLフィルターの取り付け方
通常のフィルターと同様、お持ちのレンズ前面に回して取り付けるだけです。
取り付け自体は感覚的にでもできると思います。
- PLフィルターをレンズに取り付ける
- 被写体側のフィルターをくるくる回して、効果を調整する
取り付け順にチェックポイントを挙げていきます。
レンズ前玉周辺のものは外す
レンズ周辺のアクセサリーは外しましょう。
具体的に挙げると、『保護フィルター』と『レンズフード』などです。
保護フィルターを外す
レンズにフィルターを付けると言うことは、レンズの面が増えると言うこと。
レンズ面(フィルター)が増えると光の乱反射が増えて『フレア』や『ゴースト』などといった現象が起こりやすくなってきます。
レンズ面が増えることによる画質の劣化も免れませんので、なるべくフィルターを付ける枚数は減らすように努めましょう。
レンズフードも外す
レンズフードも一旦外します。
PLフィルターは取り付けた後にくるくる回して調整するため、レンズフードがあるとくるくる出来ません。
レンズフードをつけたままでもくるくる出来ないことはないのですが、至難の技です。
加えて、くるくるする手が邪魔で、被写体全体の反射具合も確認しづらいものがあります。
少し面倒ですが、写真の完成度を上げるためにもレンズフードは一旦外しましょう。
調整後は、レンズフードを再度取り付けるのもお忘れなく。
レンズフードによっては、あらかじめPLフィルターが調整できる穴が開いているのもあります。
そういったものであれば、おそらく付けたままでも全体の反射具合が確認できるはずなので、レンズフードを取り外す必要はないかと思います。
フィルターの締め込みすぎに注意
PLフィルターは、強く締め込んでしまうと外れにくい構造になっています。
実際に触っていただければすぐ気付くかと思いますが、被写体側のフィルターがくるくる回るため、外すときに力を入れづらいのです。
外れなくなると最悪の場合、メーカーに持ち込んでお願いするかフィルターを破壊しないといけなくなるということも出てきます。
フィルターの締め込みについては、意外と注意が必要な部分でもあります。
私も何度か外れにくくて焦ったことがあります。アレはほんと焦ります。
フィルター締め込みの目安
私が実践している締め込みの目安としては、”クッ”と引っ掛かりを感じるところまで回したらOKとしています。
フィルターを締め込んでいて”クッ”と引っかかる感触があった時点ですぐ締め込みを終えます。
そして追加締め込み的な気持ちで、くるくる回る被写体側のフィルターを時計回りに1回転ほど回して終了です。
この目安でいっても、フィルターが緩むことは大概ありません。
もちろん定期的に、緩んでいないかチェックする必要はあるんですけどね。
フィルターが外れなくなった時の対処方法
どうしても外れない。そんな時に輪ゴムを使ってみると、意外にあっさりと外れる場合があります。
使い方は簡単。レンズ側のフィルターとレンズ部分の先端に輪ゴムを取り付けるだけです。
こうすることによって摩擦力が上がり、フィルターが外れやすくなると言うわけです。
被写体側のフィルター(くるくる回る方)側に付けても意味がないので、くれぐれも注意してください。
あとは必要以上に力んでしまうと変な方向へ力が加わってしまい、外れにくくなるだけです。
大の大人がレンズを掴んで「ふんっつ・・・っあ、はぁ、はぁ。」とかマジウケる。って俺か。
なるべく紳士的な対応を心がけましょう。
リラックスしてグッと回すだけで外れる場合だってあります。
最後にこういうものもあるそうです。使ったことはないのですが、あると便利かもしれないですね。
フィルターを付けた。だけでは効果が薄い
保護フィルターやNDフィルターなどと違って、PLフィルターは取り付けただけでは効果を発揮できません。
フィルターを取り付けた後に被写体側のフィルターをくるくる回すことによって、光の反射具合をコントロールすることができます。
被写体をファインダー越しに覗いて、PLフィルターの効きを調整していきましょう。
太陽の位置でフィルターを回す角度がどうのこうのあるらしいですが、自分で覗いてみてしっくりくる(イメージする)反射具合を重視して選んでください。
『PLフィルターを使うのは自分のイメージに近づけたいから』という本来の目的を見失わないようにしましょう。
また、完全な順光や逆光ではPLフィルターの効果をほぼ得られることができません。
その時は場所を変えるか、付けていても効果はほぼないのでいっそのこと外してしまいましょう。
なぜ順光・逆光では効果を得にくいのかについては、『PLフィルター 仕組み』などと検索してみれば色々出てくるかと思います。そちらを参考にしてください。
PLの効果についてはこちらの記事にも書いています。
PLフィルターをうまく活用するポイント
PLフィルターを使い始めた頃は無意識に、光の反射が取り除ける最大限の効きを選びがちです。少なくとも私はそうでした。
最初の頃は、反射が除かれた彩度も鮮やかな写真に満足していたものです。
ただ慣れてくると出来上がった写真に少しずつ違和感を感じてくるのです。
「何か違う。。。」
そう、反射がないのです。PLフィルターで取り除いたので当たり前なのですが、写真に反射がない(感じられない)のは違和感があります。
なぜなら自然界では、光は反射するということが”自然”だからです。
反射のない(感じられない)風景写真。あれっ?って思いませんか?
もちろん反射を取り除くことが意図として含まれているのであれば、それは正解でしょう。
PLフィルターをうまく活用するポイントは、『自分の表現意図に合うように光の反射をコントロールする』ことです。
PLフィルターは光の反射を『取り除く』ためではなく、『コントロール』するために使っているということを、絶対に忘れないでください。
参考までに反射のある風景写真と反射のない風景写真を載せておきます。
似たような内容で白トビ・黒ツブレについても書いています。
まとめ
写真をうまく撮るコツの一つとして、光を見極める(コントロールする)ことが挙げられます。
PLフィルターが1枚あれば、あなたのスキルアップにもきっと繋がります。
繰り返しになりますがPLフィルターは、光の反射を取り除くためではなく、コントロールするために使っているということを、くれぐれも忘れないで下さいね。
それではまた。
フィルターワークについてはこちらもどうぞ