突然ですが、イイ写真撮ってますか?
「余計なお世話だよ!」「お前よりいい写真撮ってるよ!」という声が聞こえてきそうです。
ところでイイ写真とはなんでしょう。何を基準にイイ写真というのでしょう?ピントがしっかりあっていればイイ写真?構図が寸分のズレなくキマっていればイイ写真?なのでしょうか。
ご存知の通り、イイ写真というのに客観的基準はありません。写真には正解などもありません。そこが写真の面白ところであり、難しいところでもあります。
とはいっても、写真に求められている要素によっては、良し悪しが少なからず出てきます。
今回は記録写真と記憶写真の違いによる観点から、写真の良し悪しを考えてみたいと思います。
その前に
記録写真と記憶写真の違いを話す前に、まずは写真の要素について触れてみます。
写真には主に2つの要素があります。
記録として残す要素
一つは記録として残す要素。後で見返したときにわかるように、その時の状況を見たままに記録するという要素です。
警察官の現場検証写真やニュースなどの報道写真などがこれにあてはまります。
感情を表現する要素
もう一つは感情を表現する要素です。写真を見る人にその時の想いやイメージを伝える役割もあります。
家族写真や芸術写真などがよく当てはまりますね。
この2つの要素の比重によって、記録写真なのか記憶写真なのかが分かれてきます。
ではそれぞれの違いについて考えてみましょう。
記録写真に求められる要素
旅行先で集合写真を撮る場合を考えてみます。
どちらかと言うと記録として残す要素が強くなります。
水平が取れているとスッキリします。さらにみんなの顔が隠れないようにと言った工夫も必要です。顔がぼやけてしまわないよう、ピントの調整も肝心になってきますね。
そしていつどこで撮った写真なのか、一目でわかるような背景や目印もあるとバッチリです。
記録写真においては『旅行が楽しかった』と言うよりは、『いつどのメンバーでどこに行った』と言う記録として残す要素が求められます。
記憶写真に求められる要素
感情をどう表現するかと言う要素が重要になってきます。
『初めて一緒に見た朝日』,『子供が初めて歩いた瞬間』,『運動会で頑張る姿』,『素敵な笑顔が見れた時』。かけがえのない瞬間はたくさんありますよね。
例えば、偶然キレイな朝日を拝めることができたとしましょう。心が揺さぶられるステキな瞬間です。
「これは私の歴史に残る朝日だ!後で他の朝日と比較できるようにここをこう言う角度で撮ろう。場所もわかるように全体が見渡せるようにしたほうがいいな。パースが効いて実際との差がないように、焦点距離にも気をつけよう。正しい色味を出すためにホワイトバランスは…」とはなりませんよね?
もちろん初めから『朝日を撮ること』が目的ならば話は別です。
目の前の朝日がキレイで、この瞬間を誰かと分かち合いたい,思い出に残したいと言う気持ちでシャッターを切るわけです。
なだらかに変化している空の階調をより美しく見せたい。清々しい朝の空気感を伝えたい。言葉では表現できないような想いを写真に込めます。
記憶写真には『いつどこで』ということよりも、その感動が伝わるような『躍動感やスピード感,印象,イメージ』などの要素が重要な意味合いを持ってきます。
イイ写真を撮るうえではどちらも大事な要素
理想は写真に2つの要素がバランスよく含まれていることです。
2つのバランスがうまく写真にマッチすると、それはとてもイイ写真となります。
集合写真は記録として残す要素が強いと言いました。ではちょっとした瞬間に記念写真としてみんなで写真を撮る場合はどうでしょう。感情を表現する要素もだいぶ含まれてきますね。
朝日を見た時の写真の例でもそう。いつどこでといった記録として残す要素も写真に含まれてくると、なお思い出に残るイイ写真となるのではないでしょうか。
まとめ
いかがだったでしょうか。イイ写真に基準はなくとも、撮ったその写真に求められている要素によっては、良い悪いが出てきてしまいます。
撮る理由を明確にすることで、記録写真として、また記憶写真としてイイ写真が出来上がってくるのではないでしょうか。
まぁ記録写真でも記憶写真でも、イイ写真を撮るうえで何よりも大事なのは、写真を楽しむワクワク感なんですけどね。