先日、期間限定で開催されている浮遊体アートの展示会に行ってきました。
展示場自体はサッと見て回れば5分もかからないほどの規模なのですが、私は30分以上も滞在してしました。それだけの魅力がこの浮遊体アートには秘められているのです。
そもそも浮遊体アートって何?って感じだと思うのですが、説明をする前にこの動画をご覧ください。イベントのイメージ動画となります。
この水槽の中でユラユラ浮いているもの、クラゲではありません。そもそも生き物ではありません。
クラゲではないとわかっていても、実際実物を見たらクラゲ(生き物)じゃないかと疑いたくなるぐらいリアリティがあります。
これが浮遊体アートです。
ティッシュを一枚取り出してパッと手を離すと、ヒラヒラ落ちていきますよね。
それを水中で表現しているといったようなイメージでしょうか。
厳密には、『生き物のような繊細な動きを表現している』のが浮遊体アートのコンセプトです。
この浮遊体アートで彩られた『神秘のアクアジュエリーアート展』は、見るだけでもちろん十分楽しめるのですが、今回はさらに楽しめるような予備知識などを3点ほどお伝えしたいと思います。
頭に入れておくと、見たときの感動も2倍になりますよ。
水の中でしか存在できないそのオブジェ(アート)
オブジェの素材は、とても繊細で薄くドロドロしているそうです。
空中と水中では環境が違うため、オブジェの制作も水の中で行われることが多いとのこと。
浮力や張力など、水中の環境とこの特殊な素材との関係を考えながら、少しずつ少しずつ形が出来上がっていくわけです。
しかもただ形を作るだけでありません。生き物のような動きができるよう、部分部分で素材の密度も変えていくのだとか。
この緻密で繊細な技術と気の遠くなるような試行錯誤が、水の中でしか存在できないアートを生み出しているのです。
予測ができないということも予測されている作品
オブジェ自体は、自分で動くことができません。
ではなぜあのようにユラユラ漂うことができるのか。
実は水槽のポンプによってもたらされる水流によって、フワフワと動いているのです。
オブジェはわずかな水流にも敏感に反応します。
そのため、水中のオブジェが(生き物らしく)自由に不規則な動きができるよう、水流の強さや向きを繊細にコントロールしているそうです。
つまりオブジェが予測できない生き物のような動きをとれるように、水流をコントロールし(予測し)て作品が出来上がっているのです。
その相反する存在のバランス加減が、水中のオブジェを浮遊体アートへと昇華させるために一躍かっているのかもしれません。
浮遊体アートは人生の経歴を表現している?
浮遊体アートを作った方はどんな方なのでしょうか。
なぜ、浮遊体アートを作ろうと思ったのでしょうか。
浮遊体アートを作った方の名前は、『奥田エイメイ』。
元々は人工筋肉の研究員だったそうです。
研究員であった当時ぐうぜん出会った、素材のわずかな光(可能性)に魅せられたのが浮遊体アートの原点とのこと。
奥田エイメイさんの興味の矛先は、多岐に渡っています。
世界中をめぐる新聞記者になりたかった。
宇宙飛行士になって地球を見たかった。
アラブの石油を掘る技術者になりたかった。
植村直巳のような冒険家を目指して
世界中の山を登ってきた。
見たことのない人工筋肉製ロボットを発明して
世界中をあっと驚かせたかった。
そのほかにも、趣味として舞台美術をやっていたり、芝居の戯曲を書いていたりなどとても行動力のある方です。
こうしてみると浮遊体アートには、今までの経験がスパイスのように効いているような気がします。
舞台美術の経験がなければ、浮遊体アートの構想は別の形へとなっていたのかもしれません。
研究者であったがゆえの物を突き詰める力がなければ、浮遊体アートの形(姿)は生まれてこなかったかもしれません。
登山で培ってきた頂上へと突き進む推進力がなければ、浮遊体アートを世の中に伝えることまでに至らなかったかもしれません。
そもそも奥田エイメイさんに先見の明がなければ、この素材の持つ可能性に気づけなかったかもしれません。
まぁこれらはご本人に直接お伺いしていないので、あくまでも私個人の推測でしかなんですけどね。
ぶっちゃけこれだけの行動力をお持ちの方なので、何に目をつけてもカタチにしてしまいそうな気もしてきます。その行動力を私に少しわけてあげてください。
いずれにせよ、この水中オブジェ1個(1体?)1個に奥田エイメイさんの人生にかける情熱を感じられずにはいられません。
まとめ
なんとなぁく水中にフワフワ浮いているこのオブジェ。このような歴史があることを知っていると、さらに神秘的な魅力が湧いてきます。
無機質である素材に命が吹き込まれた、水中のオブジェが繰り出すアートをぜひ会場でお楽しみください。
会場には200匹のクリオネも公開されています。沖縄県では見ることができないので、こちらもぜひ楽しみにしてくださいね。
あ、あとあしびなーで使える各種クーポンももらえますよ。
最後は、奥田エイメイさんの言葉にて締めたいと思います。
可能性は未来に向けてだけではなく、新たな起源(過去)との出会いの可能性をも無限に秘めているように思う。
可能性を追い求めることは、過去の自分に出会えるチャンスでもある。
これは『写真』にも通ずるものがあるかもしれません。それについてはまたの機会にでも。
イベント情報
- 神秘のアクアジュエリーアート展
- 期間 ・・・ 2017年7月8日〜2017年9月10日
- 時間 ・・・ 11:00 – 20:00 (入館は19:30まで)
- 休み ・・・ 無し
- 会場 ・・・ 沖縄アウトレットモールあしびなー 2F特設会場
- 住所 ・・・ 沖縄県豊見城市豊崎1-188
- 料金 ・・・ 【当日券】大人(高校生以上)700円,子供(中学生以下)500円
- 料金 ・・・ 【前売券】大人(高校生以上)600円,子供(中学生以下)400円
- その他・・・前売券の販売先,問い合わせ先は以下のページを参考に
- 参考 ・・・沖縄タイムス 営業局 / 神秘のアクアジュエリーアート展
同時期開催のイベントはこちら(場所は違います)