初めてのバルブ撮影。30秒超の長秒露光で気をつけたいこと

エージナ島。ND400を活用した作例。

三脚を使ったスローシャッターでの撮影経験はあるのですが、30秒を超える露光は初めてでした。
いわゆる、バルブモードでの撮影ってことですね。

通常の撮影と違う点といえば、シャッターを閉めるタイミングが手動になったことぐらい。
設定自体は特に気にすることはありませんでした。

ただ撮影を終えて、次回は気をつけたいなと思うところが3点あったので、この記事で共有してみたいと思います。

1.長秒時ノイズ低減は「する(ON)」にしたほうがいい

長秒の露光をした際、撮影した写真データの中に白や赤,青などのノイズ(点々)が発生してしまう場合があります。

今回の撮影に使用したNikon / D810には、この発生したノイズを低減する機能が備わっています。Nikonさんでは『長秒ノイズ低減』機能といいます。

長秒時ノイズ低減について

低速シャッタースピードになったときに発生するノイズ(ざらつき、むら、輝点)を低減します。
引用元:Nikon HP

各メーカーさんごとに呼称が異なりますので、『”長秒ノイズ” + “(メーカー名)”』で検索してみてください。
エントリー機などにはそういった機能が搭載されていないものもあります。

何を基準に”長秒”とするかはわかりませんが、今回は30秒を超えるということもあったので、始めは「する(ON)」に設定していました。

ただしこの機能にはデメリットも存在します。
長秒ノイズ低減を「する」に設定すると、撮影時と同等の時間だけ後処理が発生してしまうのです。

つまり60秒露光したら、撮影後に60秒待たされる
これに待ちきれず、すぐ『しない(OFF)』に変更しちゃったんですよねー。構図確認の段階で。あはははは。・・・はぁ。。
今思うと、ものすごく安易な判断です。。。

結果をご覧ください。

長秒ノイズやカラーノイズが発生している部分の写真

さらにズームします。
長秒ノイズやカラーノイズが発生している部分の写真。さらにズーム。
長秒ノイズやカラーノイズが発生している部分の写真。さらにズーム。

うわっ。とかやめて!心が、心が痛くなるから!

いたるところでノイズの嵐です。長秒ノイズのやつをなめてかかるとこうなります

露光が長くなる場合は、長秒ノイズ低減はONにしたほうがいいと思います。
私も30秒を超える露光では、積極的に長秒ノイズ低減をONにしていこうと心に誓いました。

2.露光している間も時間は流れていく

エージナ島を撮影。ND400を活用した作例。

昼間とか真夜中とかの長秒露光だと、露出バランスの影響はほとんどないと思います。

今回撮影したのは夕方。それも日が沈む直前と直後。

知ってましたか?日の入りの太陽が地平線に触れてから沈むまでの時間って、だいたい2分30秒ぐらいらしいです。

そういえば『走れメロス』で、「太陽が沈むより速く走った」みたいなことが書かれていますよね。
あれって実際の速度を求めると、時速12,000kmぐらいになるらしいです。

へぇー。

・・・そ、そぅそう、夕暮れの時間帯って、目では感じにくいスピードでどんどん暗くなっていくのです。

NDフィルターも付けていたのでこの時の露光は70秒となっていたのですが、その撮影70秒の間にもどんどん暗くなる。

白トビするよりかはマシかなぁ。とは思ったものの、全体的にちょっと暗い
もともと白トビを避けたくて、アンダー気味での露出設定だったのもあります。

果報バンタからの風景

白トビによる損失と効果について考える

2017年7月3日

あれ?シャッターを開けている秒数を数え間違えたのかな?と思い、再度チャレンジ。
何回やっても、少しずーつ写真が暗くなっていくだけなんですよねー。ウケる。

このことからも分かる通り、明るさが変わりやすい時間帯での長秒露光の際には、1-1/3段ぐらい上げて(下げて)撮影するようにしましょう。よりイメージに近づけられると思います。

もちろん撮影の都度、露出を測るのがベストかつスタンダードです。

今回はNDフィルター(ND400)使ってたんで、つどフィルター外したり付けたりするのは、ちょっとめんどくさいかなぁー。みたいなね。

言うまでもなく、素人が手を抜いて上手く撮れるわけがありません。反省。

3.長秒露光ほど露出の調整がむずかくなる

しかもこの露光調整のミスには続きがあります。
もちろんその後、明るくしようと試みましたよ。

けど、「もうちょっと明るくしておこう。んー、(適当に)プラス10秒ぐらい?」とかやっても全然明るくならないんですよね。

あれぇ?おかしいなぁー?とか言っていた、あの時の自分に言ってやりたいですよ。

おかしいのは君の頭だ。

だいぶ雑な考えですが、シャッタースピードは現在の値を2倍(もしくは1/2)にすると1段変化します。
70秒の露光ってことは、露出を1段上げる為にもう70秒(合計140秒)必要となる計算です。

1/3段上げるにも、プラス23秒(合計93秒)ほど必要になります。
(70秒 × 1/3段 = 約23秒)

10秒とか、ほとんど露出変わらないから。マジで。

しかも夕暮れ時なので、被写体自体も徐々に暗くなってきます。

あれ?変わらないなぁ。じゃぁあと5秒足して15秒ならどうだ!とか、もうやめてくれ。

長秒露光になるにつれて、1段の変化に要する秒数は増えてきます。
長秒に渡る露光なので露出をミスすると、撮影機会ロスの時間も長くなってしまいます。

あれ?あれ?とか言っている間に、撮影チャンスを逃しました。とか最悪です。
まぁ私のことなんですけどね。

長秒露光に慣れていない方は感覚で露光調整するのではなく、ざっくりにでも計算して設定することが成功への近道です。

まとめ

エージナ島を撮影。ND400を活用した作例。

今回が初めての長秒露光だったとはいえ、だいぶシャッターチャンスを逃してしまいました。

失敗が多かったとはいえども、長秒露光の撮影はやっぱり楽しい
この失敗を糧に、次回の撮影に活かしていきたいと思います。

さいごに

アイキャッチ画像の撮影場所はエージナ島。マイブームです。

エージナ島の風景

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2017年7月6日

そこで夕日を撮るぞー!の、予定だったのですが・・・。
干潮の時間と夕日の沈む時間帯が、思っていたよりもうまく合わず。。
夕日が沈む前から、エージナ島への道は消えていました。

仕方なく、今回は島を渡っての撮影は断念しました。
膝下まで浸かれば島へ渡れたと思うのですが、ここは安全第一で。

次は渡って、エージナ島から見える夕日を撮りたいな。

撮影にはNDフィルター(Kenko / ND400)を使用しています。
NDフィルターは幻想的な写真に仕上がるので、ついつい使っちゃうんですよねぇ。

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2017年6月22日
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エージナ島。ND400を活用した作例。