マニアックな比較。ジッツオとマンフロットのハーフボール型レベリングベース

GS3121LVLと520BALL

超マニアックな比較記事です。
この記事を読んでみようと思うのはおそらく、三脚・雲台マニアか暇でヒマで仕方ない方かのどちらかです。

タイトルにある通り、ジッツオ(GITZO)マンフロット(Manfrotto)ハーフボール型レベリングベースを比較してみました。

ジッツオは少し古いモデルのGS3121LVLに登場してもらいます。
マンフロットからは75mmタイプの520BALLが比較対象となりました。

いろいろ比較してみた結果、

  • 多機能かつ(三脚がジッツオなら)統一感のあるデザインにまとまるのが『GITZO / GS3121LVL
  • ハーフボールとしての性能は確保しつつ、コストパフォーマンスを優先できるのは『Manfrotto / 520BALL

という結論に至りました。

それでは細かく見ていきましょう。

GS3121LVLと520BALLの細かい比較

以下8点に焦点を当てています。

  1. 三脚に取り付けた時の外観
  2. 水準器の有無
  3. 雲台との接地面
  4. 水平に補正できる傾き具合
  5. 雲台ロック機構の有無
  6. 取り付け時のレベリングベースの高さ
  7. 重さ
  8. 価格

順番に見ていきましょう。

1.三脚に取り付けた時の外観

レベリングベースといえども、外観は気になる要因の一つです。

GS3121LVLの外観

GS3121LVLは伝統のノアールデコール塗装が目を引きます。
わかる人ならすぐジッツオだと気付きますよね。三脚もジッツオだと、統一感がハンパない!まぁ当たり前だけど。

対して、520BALLは・・・

520BALLの外観

うん、外観見えないや。

受け皿(ハーフボールアダプター)によっても変わってくるかとは思いますが、構造上おそらくどれを使っても違いはあまりない(見えない)と思います。
※今回、ジッツオの受け皿(GS3321V75)を使用しています。

ある意味シンプルにまとまるので、個人的にはアリです。

2.水準器の有無

レベリングベースは水平を出すために必要な機材。水平が出ているか確認するために、水準器は必須です。

GS3121LVLの水準器

GS3121LVLは、本体と一体になるようにして水準器があります。
ちょっとおまけで付いている感が否めないのですが、やっぱりあると助かります。

520BALLは・・・

520BALLの外観

無い。あれ?おっかしいなぁ〜。どこかに隠れているのかなぁ〜・・・いや、これは無いな。
無いとかないでしょー!って感じなのですが、ないんです。なぜ。Why?

水準器は別途、準備する必要があるようです。
参考商品も載せておきます。

3.雲台との接地面

雲台との接地面についても注目です。

GS3121LVLの雲台との接地面
GS3121LVLは、滑り止めラバーが貼られていて、雲台との固定力もアップしそうです。

520BALLの雲台との接地面
520BALLは残念ながらそれがありません。さらに金属部分が直接雲台側と擦れるので、取り付け時にはGS3121LVLよりも傷が多く付きそうな気がします。

GS3121LVLと520BALLの接地面積比較
接地面積自体はGS3121LVLが大きいので、雲台を選ぶ選択肢も広がります
520BALLでも直径は75mmありますので、一般的な雲台なら問題ない気がします。

4.水平に補正できる傾き具合

GS3121LVLの傾き角度チェック
GS3121LVLはカタログ値で『15度』と記載があります。

520BALLの傾き角度チェック
520BALLは大体その半分、『7度ぐらい?』といったところでしょうか。

私は水平を出す際、三脚で8割ほど調整して残り2割をレベリングベースで補うというスタンスです。
そもそものベースが不安定だと、上で補正しても不安定のままですからね。

それを踏まえると、私の運用では520BALLの補正角度でも十分です。

これについては各自運用のスタンスによって、考え方が変わってくると思います。

5.雲台ロック機構の有無

GS3121LVLの雲台ロック機構

雲台のロック機構については、GS3121LVL特有の機構です。


雲台を取り付けた後に、グッとレバーを回すと雲台がさらにレベリングベースと密着します。
最後にレバーで増し締めをするといったイメージです。

これがあると、パン(横方向への調整)時に不意に雲台が緩むといったことも減ってきます。

個人的にはまぁ・・・あったらいいよね。ぐらいかな。

6.取り付け時のレベリングベースの高さ

重心は低い方が、安定感があります。レベリングベースを取り付けることによって、高さが上がるのはやむを得ないことなのですが、重心は低いに越したことはありません。

GS3121LVLの三脚取り付け時の高さ

GS3121LVLは『傾き補正角度が大きい』ことと、『雲台のロック機構がある』ため、どうしても高さが上がってしまいます。機能性とのトレードオフになってしまう所です。

対して、520BALLはほぼ三脚のベース部分に近い高さとなります。
520BALLの三脚取り付け時の高さ

機能性をカットした分の恩恵がここで活きてきます。

7.重さ

GS3121LVLと520BALL

重さは三脚の持ち運びやすさに影響が出てくる部分です。

またあまりにも重たいとトップヘビーとなり、ちょっとした振動でもバランスが崩れて倒れやすくなってしまいます。
そうなってくると、さらに安定した(太い)足(三脚)をチョイスする必要も。

実際に計測してみた重さです。

  • GITZO / GS3121LVL ・・・ 450g
  • Manfrotto / 520BALL ・・・ 280g

1.6倍ほどGS3121LVLが重たいです。

今お使いの三脚と雲台とのバランスがちょうどいいぐらいという方は、軽めの520BALLがオススメです。

重いということは三脚の安定力に貢献できますので、その分GS3121LVLは安心感があります。

8.価格

GS3121LVLと520BALL

GS3121LVLは520BALLより機能性があるということもあり、価格はGS3121LVLが高いです。
記事作成当時で2倍以上の価格差があります。

ここまで比較した内容が、個々人においてどれくらい重要かによって、価格の妥当性について意見が分かれてくると思います。

単に値段だけを比較すると520BALLは最強です。

まとめ

GS3121LVLと520BALL

本来のレベリングベースとしての機能は、両製品とも充分に満たしています。

最後にどちらを選ぶかのひと押しは、ご自身現在の三脚と雲台との組み合わせによって変わってくるのかなぁと思います。

高さ重さを先に考慮して、残りの外観機能性にフォーカスを当てていくと、スムーズな選択ができるのではないでしょうか。

あなたにぴったりなレベリングベースが見つかるといいですね。
この記事がお役に立てると幸いです。

GS3121LVLには最新モデルがあります。

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GS3121LVLと520BALL